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歯科検診の時期
妊掃さんの歯科検診は、妊娠5〜7ヶ月頃の安定期に行くのが良いでしょう。妊娠初期は、胎児への影響やつわりなどによる母体の負担を考え、歯科検診は控えましょう。
また、お腹が大きくなる妊娠後期も、歯の治療を受けるときに座る椅子はとても負担となります。お腹が圧迫され、仰臥位低血圧症候群※(低血圧になり、貧血のような症状がおこる)などを引き起こす可能性もあるため、控えた方が良いでしょう。
※仰臥位低血圧症候群とは〜
仰臥位(仰向けに寝た状態)では、下大静脈という人体で最も大きな血管が圧迫されます。 下大静脈が圧迫されると、心臓への静脈血の環流量が減少します。さらに、全身へ血液を送り出しずらくなり、その結果、心拍出量の低下による低血圧をまねきます。突然にショック状態となり、頻脈、悪心・嘔吐、冷汗、顔面蒼白などの症状が出現します。循環している血液量が減少するため、長時間となるとお腹の赤ちゃんにも低酸素状態になるなど影響が出る可能性があります。
できれば妊娠前に歯科治療を済ませておく
妊娠中は、初期・中期・後期のどの時期でも原則として応急処置以外の歯科治療はおこなわないことが通常です。 まだ妊娠しておらず、今後妊娠を希望している場合は、できるだけ妊娠前に歯科治療を済ませておくと良いでしょう。普段から定期的に歯科クリニックへ通い、メンテナンスをしておくことが望ましいといえます。
妊娠中にかかりやすいお口の病気
虫歯や歯周病
妊娠中は食事が不規則になりがちとなり、つわりで歯磨きができなかったりと、お口の中に細菌が溜まりやすい状態にあります。また、嘔吐の胃酸により歯の表面が弱くなり、通常よりも虫歯や歯周病のリスクが高まります。
妊娠性歯肉炎
妊娠初期はホルモンバランスの変化により、歯茎の出血や腫れが生じやすい状態にあります。通常の歯肉炎と同様に、痛みなどの自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに症状が悪化する恐れもあります。なるべく早めの検診をおすすめしています。
妊娠性エプーリス
妊娠性エプーリスは、妊娠によるホルモンバランスの変化により、歯茎がコブのように大きく膨らむ症状です。ほとんどは良性で自然と無くなりますが、気になる場合にはご相談ください。
生まれてくる赤ちゃんの虫歯を防ぐために
実は生まれてきたばかりの赤ちゃんには、むし歯菌は存在しません。
虫歯菌は、赤ちゃんと接する大人からうつるといわれています。最も身近な感染ルートはお母さん(母子感染)です。特に虫歯菌に感染する危険性が高いのが、感染の窓と呼ばれる 生後1歳7か月から2歳7か月の期間です。この時期は特に母子感染を起こしやすいですが、お母さんが口腔内の衛生環境を整えることで、お子様への細菌の感染を遅らせ、虫歯になりにくいお口をつくることができます。
できる限り妊娠中、妊娠前から、出産後であれば赤ちゃんの歯が生える時期までに、お母さんご自身が虫歯・歯周病を治療し、予防を行って、母子感染を防止しましょう。
また、お母さんだけでなく、赤ちゃんと接するお父さんや周りのご家族のお口の衛生環境を整えることも大切です。